あなたを好きということ

『いよいよ卒業かぁ~』

「まっあたしは、嬉しいけどねっ♪」

『どしてぇ~???』

「なんか・・・新しいスタートっていうか」

『まぁねッ♪』



山本が卒業してから1年がたった。

今年は、自分の番。


ついこの前に入学してきた中学校。
3年という月日は、あっという間にすぎて
あっという間すぎて、あまり思い返せないくらい。
それでも絶対に覚えているのは。。。
やっぱり山本なのだ。



3年間お世話になった教室。
1年前は、向かい側の校舎から見てた。

いっつも遊んでいたグランド。


どこに行っても、この前のように鮮明に思い出される。



ねぇ山本?
あれから1年もたったよ。
山本が卒業してからも山本をいつも探してた。

ついこの間までずっと癖が直らなかったの。



でもねっ
やっと癖が直って、少しづつ忘れていけた。
時間って・・・恐いなって少しだけ思ったよ。

けどね、あたしには時間が必要だったんだって思うと
時間がたつのも悪くないなって思える。

少しは、大人になったでしょ?(笑)


山本は、あたしがずっと好きだったって
知らない。

けどね、あたしは、それでもよかったかもしれないんだ。




今はまだ完全には、山本の幸せを願えない。
だってまだあたしの中に山本がいるから。
けど、後何年かしたら願える日もくると思う。
その時は、素直に「好きだったよ。幸せ願ってます」って
笑顔で言いたいんだ。




あたしは、泣かないだろうと思っていたのに
おお泣きしてから中学校を去った。



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