恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
うん…初めてだよ。

コクンと頷くと、絹川くんは私のシャツのボタンをひとつずつ外していく。


トクン

トクン…と

何か警告のように

胸が大きく鳴るのがわかる。





ここ…で?

え…っと、どうなんだろ。

本当に誰も入って来ない?





私が扉に目をやると、







…目が合った。












「きっ…絹川…絹川くんっ」

「どした?怖くなった」

「ちっ…違う。あ…あれぇ」





うわ~。

どこかに隠れてしまいたい…。









扉から

私たちを

見つめる目が一つ。








「続けていーのに。あ~ウメぇ、この味っ」







白く短い棒をくわえ、膨らんだ片方の頬を揺らしながら

ニヤニヤ笑っているのは…

天ちゃん先輩。






「当麻ぁ、オレ悔しい~」

「何が?」



天ちゃん先輩に気付いた絹川くんは、彼を見ながら驚きもせずに体をゆっくり起こす。

私に自分の上着をかけると、そのまま扉を閉め、部屋を出て行ってしまった。




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