恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
天ちゃん先輩、月ちゃんに謝りに来たのかな。

だったとしたら、いいヒトかも。




そういう雰囲気じゃなかったとはいえ、昨日は絹川くんが無理やり二人を引き裂いてしまっただろうから、

月ちゃんを泣いたまま返した罪悪感に苛まれてたのかな。







ダンスの授業の帰り、渡り廊下から絹川くんの姿が見える。

体育館裏に入っていく、天ちゃん先輩とその他数人の先輩らしき人たち。

…珍しいな。

絹川くん、基本いつも一人なのに。

入学式の日しか、たむろってるのを見た事がない。




あ…そーだ。

絹川くんに上着、返さないと。

「月ちゃん、先教室戻ってて。私、絹川くんに上着返してくる」

どこかで会うかもと、持ち歩いてて良かった。

「…先輩たち集まってると雰囲気悪いよね。ま、絹川当麻がいるから大丈夫かぁ」

「すぐ戻るね」

月ちゃんを置いて、体育館裏に私も向かう。







あ~、いたいた。

体育館裏に行くと、ここから少し離れた場所に

絹川くんと天ちゃん先輩が、先輩数人と向かい合っていた。



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