恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「オイ、お前らやる気かよ」


絹川くんの前にいるゴツい男の人が、眉間に皺を寄せ、二人にジリジリと詰め寄っていた。


うわ。


何かヤバそうな雰囲気!?


絹川くん…ケンカはダメだよ。


先輩であろう人たちは怖いけど、絹川くんにケンカはして欲しくない。


「き…ぬかわくん!」


思わず声をかけると、絹川くんはハッと私の方を振り返った。


「…何でここにいんだよ」


すごく迷惑そうな顔。


イラだった風に足元の土を踏みにじると、目の前の先輩に目配せしてる。


すると…ポケットに手を突っ込み、こっちにゆっくり歩いてきた。


うわ~。何か怒ってますよぉ?


あれ、ケンカじゃなかったのかな。


「さや、授業は?」


「ん…ダンスの授業だったから…早めに終わったんだ。あの後ちゃんと授業出たよ?」


「そ…か。…なぁ」


絹川くんは腰を屈め、私の顔を覗き込む。





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