恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「さっきは悪かったな…。ごめん、また突っ走った」


しかめっ面してたはずの顔は、いつの間にかやんわりと優しい笑顔になっていた。


「うん…」


使い分けがうまいよね。どうしてこんなに変われるんだろ。


それと…突っ走った事より、天ちゃん先輩を優先して、部屋を出て行ったきり戻って来なかった事の方が


私は気になるんだけどなぁ。


天ちゃん先輩がやる事には目をつぶるって言ってたけど


彼には、かなり甘そうだよね…。


「え…と。先輩たちともめてるんじゃないんだ?」


私が先輩たちの方をチラッと見ると、絹川くんはハハッて笑う。


「あぁ…違う。あれ、オレのツレだわ。雰囲気わり~よな」


そっか。それならいいケド。


「絹川くん、上着…」


上着を差し出すと、にっこり笑って私にまた突っ返す。


「いらね。…さやが持っといて」


「私がぁ?でも、学年集会の時着てないと注意されるよ」


「オレそんな面倒なもん出ねぇし。それに、オレのもん何か持ってて欲しーから」


< 146 / 390 >

この作品をシェア

pagetop