恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
絹川くんの…モノかぁ。


もうすぐ衣替えだし、いいのかな。


持っといて欲しいと言われると、持ってたいような気もするな。


絹川くんの制服の上着は、何だかいい匂いがするんだ。うまく言い表せないけど…とても幸せな香り。


私、実は匂いフェチなのか、何かあるととりあえず匂っちゃうクセがある。


さっきも、絹川くんに上着をかけてもらった後、クセで…つい。


袖が擦れてるし、ボタンも取れかけだったから、一瞬どうかと思ったんだけど


ふわ~っといい香りに包まれた。


香水なのかな?


よくわからないけど、絹川くんがいなくなった後なのに、一緒にいるような、そんな気分になったんだ。


って、私も何考えてんだか。


「さ。もーすぐ授業始まるぜ?戻んな」


絹川くんに背中を押されるものの、立ち去るのを少し躊躇ってしまう。


「それにしても、何でわざわざこんな所で集まってるの?」


「心配すんなよ。タバコ吸ったりしねーし」


「…うん」


「じゃ、またな」


そう言うと、絹川くんは…


そっと頬に唇を押し当てる。



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