恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
お兄ちゃんにバレた!
午後の授業中
椅子にかけた制服の上着を先生がチラチラ見る。
そうだよね。私は上着着てるし、それなら椅子にかかってるのは誰のだって感じだよね。
でも先生は何も言わず、本読みしながら横を素通りするだけだった。
授業が終わり、月ちゃんが私の席までやって来る。
「さや、帰らない?」
「ん…。絹川くん、迎えに来るみたいだから、まだいるね」
「へぇ~。さや、すっかり絹川当麻の言いなりなんだぁ?」
「言いなりじゃないケド。待ってるから、月ちゃん先帰っていいよぉ」
ニヤニヤして私を冷やかす月ちゃんの背中を押し、教室から追い出した。
言いなり…
じゃないってば。
私の意志で待ってるんだから。
金髪じゃなかったら怖くないし、何もない時は性格も穏やかだよね。
天ちゃん先輩は嫌だけど、近寄らなきゃ害はないし。
「待った?」
席でウトウトしてたら、絹川くんがいつの間にか私の前に立っていた。