恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
ボスっというイイ音と共に、先生は後ろに倒れる。

パチンと指を鳴らし、絹川くんはニカッと歯を見せ笑った。

「やり~っ。クリーンヒット!」

うっそぉ…。

あのぉ…。あれ、先生なんだけど。





あんな事して大丈夫ぅ!?

帰ろーぜって言って、絹川くんは私の手をさり気なく握る。





「ちょっと…先生このままにしてていいの?」

「いーんじゃね?殴ったワケじゃねぇし。去年もっと色々やりまくってたし、カワイイもんでしょ」

絹川く~ん…。

去年、一体何やらかしたんだろ。

月ちゃんも、何もしない日はないって、言ってたもんねぇ。

「そんなカオすんなよ。ホラ、行くぞ?」

「…うん」




二人で手を繋ぎ、廊下を駆ける。

「あ!絹川くん…カバンは?」

「別にいーわ。大したもん入ってねぇし」

先生の頭もとに転がったままのカバンを思い出す。

絹川くんからしたら、さっきの出来事なんて、何て事なさそう。




< 153 / 390 >

この作品をシェア

pagetop