恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「絹川くん、私と初めて会った日…体育館裏で、何してたの?」

「んあ?オレ、ダブったし入学式出る必要ねぇじゃん。なのにアイツらがさ、やっぱ雰囲気だけでも味わお~ぜつって」

入学式の雰囲気…を?

「そうでもなきゃ、もっかい一年なんかやってらんねぇだろ?ってさ。ヘンな気遣いやがって」

絹川くんは、そう言いつつも…フッと笑う。



「タバコに火つけなくて…更に文句まで言った私につっかかって来なかったよね。あれは…どうして?」

「ん。あれはぁ」

何か言いたげにして、口を噤む。

…絹川くん?




「バカな女だなーって思ってさ」

「…バカ」

「そ。一回殴られてんのにさ、それでも怯まず、野郎に囲まれた中でよくあ~いうコト言えるな…と。カンシンした」

ニヤリと笑い、私の頭にポンと手を置く。

「哀れに思われてたんだぁ」

「哀れっつうか…、作らなくていい敵を、自ら作る不器用なオンナなんだと思うと…急に愛おしくなった」

「…ヘンなの」

「ヘンか?」


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