恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「触んなっ!!」







当麻くんの怒鳴り声に、一瞬体が凍りつく。

びっくり…した。




床に伸ばしかけた行き場のない手を、お腹の前に持ってきて、ギュッと握りしめる。

今の…何?

そんな怒らなくても。




「…オレが片付ける。さや、そっち座ってて」

当麻くんはその場にしゃがんで、大きく割れたガラスの破片を一つずつ摘み、ゴミ箱に捨てる。

「…危ないよ?こっちのなんて、粉々だし…」

「いいから」





怖ぁ。

何なの?

そんな怒らなくたってぇ。




写真は無事だよ?





だけど当麻くんは写真には手を触れず、黙ってガラスの破片を片付けていた。





「…ごめん、ね」

「…」

それきり、とっても気まずい空気のまま…時間だけが過ぎていく。

カチカチと、これまたアンティークな壁掛け時計の、振り子の音が

静かに響いていた。







突如、

ボーン、ボーン…と鐘の音が鳴り響く。






やだなぁ…この空気に

この雰囲気。


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