恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
アクションやミステリーも好きなんだけど。

一番好きなのは、ディズニー映画なんだ。

お姫様や王子様。魔法使いや妖精や変身。

非現実的な、あの素敵な世界が大好き。

こんな事、当麻くんに言ったら笑われるかなぁ。

『なん。どんなんが好き?』

「う…ん。何でも観るよ」

『へー。じゃ、今から観るか?』

…へっ?

当麻くんの言葉の意味が分からないでいると、いきなり教室の扉がガラッと開いた。

「迎えに来た」

目の前には、携帯片手にニコリと笑う当麻くん。

うわ…

ちょっと待って。






嬉しいんだけど、今から授業始まるよぉ?

困るってばぁ…。




そんな忠告を当麻くんが聞き入れるワケがない。

ポカンとしている私の手とカバンを取り、教室から連れ出す。

「ちょっと、冗談…だよね?」

「いや?マジだけど」

何の罪悪感もなさそうに、当麻くんは微笑んで私の指を握りしめる。

さすがの私も、学校を抜け出してまでのサボリはやった事がない。

悪い事だと思いつつ、暖かい当麻くんの手に、逆らえないでいた。




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