恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「今日はさやと1日一緒にいたい…。ダメか?」

切ない表情で見つめられて…

ダメだなんて言えないよ。



当麻くんはケンカ負けなしって言うけど、きっと女性にも勝ちっ放しなんだろーな。

この瞳に見つめられると…

何でも許してしまいそうになる。




「映画館だと、制服じゃマズイしな。…うち来いよ」

トクン。

危険信号。

きっと映画どころじゃなくなるよ?



頭では分かっていても…

それでもいいかなって

今日はそんな気持ちになれた。



「何か借りて行く?」

「…いや、大丈夫。親父が映画好きだから、何本か家にある」

「私が好きなのあるかなぁ」

「新作もあるぜ。ちょっと前に賞取ってたのとかも。さやが好きそーなんも、多分ある」

当麻くんはそう言い、私の肩をそっと抱いた。

ドキン。




やっぱり、映画どころじゃ

なくなりそう…。



私の顔が赤くなったのが分かったのか、当麻くんの顔が緩む。

「うち、誰もいねーから…」

それは、

『だから…覚悟して来いよ?』っていう、囁きに聞こえた。




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