恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「あ…泣きやがった」

目に溜まった涙が、ポロポロと頬を伝う。

それを見た当麻くんは、苦笑いして私の涙を手のひらで拭った。

「泣くってばぁ…ひっく…ひどいよぉ。当麻くん…ひどい」

これじゃまるで襲われてるみたいだよ。

もうちょっと甘い雰囲気で…とか、ないの?

「あ~、もう泣くなって。くそー…泣きたいのはこっちだっつの」

何の事か意味がわからないけど、当麻くんはベッドから降りると、床にドカッと座り込む。




…怒ってる?

怒られたって…嫌なもんは嫌だもん。

彼女が嫌がる事するのは反則だよ?

私だって怒りたいよ。





脱がされかけた下着を、布団の中ではきなおす。

…情けない。

ここに来るまで、そういう風になるかなって、ドキドキしてた。

当麻くんならいいって思ってたけど…、

何だか一気にぶち壊された。





もぅ、いいもん。

私もベッドから起き上がり、乱れた服を直す。

「…鏡見に行って来ていい?」

「勝手にすれば」



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