恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
当麻くんは、怒って目も合わせてくれない。

…何で怒るの?

ワケわかんないよ。

悪いのは当麻くんでしょお。





そのまま黙って当麻くんの部屋を出て、洗面所に行き、ぼさついた髪を直す。

やだ。

泣いて…かわいくない。





こんな顔で当麻くんの所に戻りたくないよ…。

ぼーっと、鏡の前の自分を見ていると

大きな鏡に

…自分以外の他人が

映り込んだ。






…えっ?

慌てて振り向くと

そこにいたのは、当麻くんじゃなく…







「…誰だ?お前」

「え…。あなたこそ…誰?」




目の前には見知らぬ男性。

当麻くんのうちだから、家族なんだろうけど…

彼の友達の可能性もあるし

一応警戒して聞いてみる。







「…兄貴、何でここにいんだ?」

え、お兄さん!?

いつの間にか現れた当麻くんが、廊下の向こうから彼に話しかける。

「今日は早めに切り上げた。明日からまた出張だからな…。当麻、いい加減うちにオンナ連れ込むのやめろよ」


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