恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「さいてい~っかよ。笑っちゃう~。

じゃ…オレは最低だから何やっても許されんだ?最低のその下はねぇんだろ」

天ちゃん先輩が、私ににじり寄ってくる。

「触らないで…」

「…多分、アンタをここでヤっても。トーマは…怒んないよ?」

「何言って…」

ヤバ。足がすくんでる。

彼の冷たい…血の通ってないような指先が、私の顔を撫でる。

「昔…トーマが同じ事、やったからな。多分、アイツは何も言えねーよ」

「えっ…」

やだ。何て言った?

天ちゃん先輩は、私を教室の壁に追いやり、じっと瞳を見つめてくる。

「トーマの一番大切なモノ。…オレが奪ったら、アイツどんな顔するかな。…見てみてぇ」

彼の瞳に映り込んだ自分の顔は…きっと恐怖の表情をしてたんだと思う。

「可愛い顔してっけどケーケンないんだろ。オレが教えてやろっか」

「…嫌っ」

あぁ…絶対に嫌だよ。

「これ以上…私に触れたら、あの窓から…飛び降りる」

天ちゃん先輩が…彼女に突き落とされた窓が、この教室から見えている。

スッと指さすと、

一瞬、天ちゃん先輩の表情が変わった。


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