恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「轢いてねーし。あいつら、殴っただけじゃん。何なら法廷出よーか?敏腕弁護士つけて応戦しますけどぉ?」

「あなたっ!絹川グループの御曹司らしいけど…汚い事やって成り上がった親に育てられて…よくそんな堂々としてられるわね。恥ずかしくないの?いつかしっぺ返しが来るわよっ?」

絹川グループ?そんなグループあるんだ。聞いた事ないけど…。

当麻くんは、怒りもせず…

ただ無表情。

あんな顔…初めて見た。



「どーでもいいケド帰ってくれます?おたくの息子、どうせオレより早く退院するっしょ?オレの方が可哀想じゃん」

「入院の長さの問題じゃないのよ!?」

「で?いくら欲しーんだよ。そこに口座と金額書けよ。数日中に振り込んどくわ」

当麻くんはそう吐き捨てると、松葉杖を脇に抱え立ち上がる。

おばさんは、お金じゃないのよと言いながらも、突然大人しくなった。



うわ、

こっち来る。



ガンッ!

びくぅっ!!



当麻くんは入口まで来て、松葉杖を扉に思いっきり叩きつけると、唾を床に吐いてまた歩き出した。



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