恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
珍しい名字だし…多分、絹川だったはず。

月ちゃんは私の背中をバシッと叩く。

「でかした!さや~、あんたの未来、明るくなったっ」

「…何…が?」

「絹川当麻って有名じゃん…。さや、知らないんだぁ。

ま、とにかく。あんた多分もう額田先輩には付きまとわれないよ」

「ほっ…本当に!?良かったぁ…。明日から月ちゃんとお弁当食べれるんだね。嬉し~い」

ホッとする私に、月ちゃんがニヤリと笑う。

「本当に良かったかどーかは、わかんないけどね?」

「えっ!?どういう事」

「絹川当麻もかなり面倒だもん。でも額田先輩よりかはいいかな?」

「面倒って?ちょっと得体の知れない雰囲気はあったけど…」

「知らなくていいよ。そのうち分かるから」

月ちゃんは詳しく話してくれなくて、フフっと笑っていた。






絹川くんて

鶴くんと一緒だったし、一見普通の子に見えたけどな。



だけど…
眼鏡の奥のあの瞳は、

悪っぽくも見えて。



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