恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
また…
病室に戻ってきた私。
当麻くんは、ベッドに寝ころび天井をじっと見つめていた。
「…当麻くん」
「んぁ?」
相変わらず不機嫌そうな当麻くんは、私の姿を確認すると、こちらに背を向けてしまう。
「あのね。これ、鶴くんからの差し入れ。それと、参考書と…」
「悪いけど。今日はもう帰れよ」
当麻くんが向いている方に回り込み、近くの棚に袋を置く。
「そんな…冷たい顔、しないでよ。せっかくお見舞いに来たのに」
「これがオレの普通の顔なんだよ。文句あるなら、見んな」
もう。
「当麻くん。私、怒ってないよ?昔の事…だもん。気にしない」
何の話をしに来たのか、理解した当麻くんは、更に機嫌を悪くする。
「…んだよ、そんな事言いに戻って来たのか?」
「そんな事って…。だって、だから怒ってるんでしょ?当麻くん、拗ねてるんだよねっ。私は気にしないから…」
「るせーよ」
…え?
当麻くんは私が持って来た雑誌を、
棚から袋ごと掴み、辺りにぶちまけた。
「さやにだって…触れられたくない過去の一つや二つ、あんだろ?放っといてくれよ…」