恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「当麻くん、このお財布の中に・・・何か大切な物、入れてなかった?」

私がそう言うと、当麻くんは顔をしかめる。

「大切なもんって、何だよ…」




やっぱり全然覚えてないんだ、あのプリクラの事。

私と知り合うずっと前から、当麻くんのお財布に入ってたんだよね。

肌身離さず一緒にいたかったっていう意識の表れ?

自分で入れたんじゃなく、彼女が入れたのかもしれないけど。



私が黙っていると、当麻くんは私の手から財布をひったくった。

「勿体ぶんなよ、何も入っちゃねーし」




そう言って、財布を開いた瞬間

何かを思い出したように、

当麻くんの手が止まる。

そして、財布を閉じてしまった。




あぁ、きっと。今、思い出したんだ。

じゃあやっぱり、これを入れたのは当麻くん本人なんだよね?

昔の事はとやかく言いたくないけど、隠されると

まだ好きなのかなとかって、不安になる。





< 276 / 390 >

この作品をシェア

pagetop