恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
だって、嫌だったんだもん。

当麻くんが隠そうとするほど、当麻くんがひきずってるみたいな気がしてくる。

…ヤダよ。



「月ちゃんから、天ちゃん先輩の元カノだって・・・携帯の写真見せてもらった事あったから。何で当麻くんのお財布に?って、不思議でしょうがなかったんだもん」

「…見た時に聞けよ。タイミング悪すぎ」

プイと私から顔を背け、小さくため息をつくのが聞こえた。





「ごめんね、嫉妬した。だって、すごく綺麗な人だったし」

「だなー」

だなぁ?!ちょっとぉ。全然反省の色ナシなんですけど。

「当麻くん!?」

「んな所でイチイチ怒んなよ。何が聞きたいワケ?聞いたらスッキリすんのかよ」

「好き、だったんだ?天ちゃん先輩と付き合ってるのに」





そんなワケねーじゃんって言ってくれると思った。

それなのに、当麻くんは

何も返事しなかった。



どうして?

言い訳とか、私を慰める言葉だとか・・・何かないの?




「当麻くん…」

「好きだった。だからこの写真も、本当はすぐには捨てたくない。さやにはとやかく言われたくない。これでいーか?」

ぶっきらぼうに言い放つとベッドに倒れこみ、今度は大きくため息をつかれた。



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