恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
当麻くんは、私の名前を呼ぶか呼ばないかのうちに

私を強く抱き締めた。






私がヤキモチ妬いてるって…わかっちゃったんだ。

そりゃそーだよね。

彼女の話はあれから全く出ていなかったし、当麻くんも話さなかった。

あのプリクラも…

捨てたくないって言われてから、結局どうしたのか

…聞いてないもん。







当麻くんは、抱き締めた腕を緩め

私の前に顔を持ってくる。






見つめ合い…

涙が出そうになる。







なんでだろ…。

泣かないよ。

だって…私、幸せだもん。

当麻くんに強く思われているって…わかってるし。





自分に言い聞かせ、また笑顔を作る。

「どうしたの?当麻くん、変だよ。私、何も気にしてないし」

「…強がんなよ。ホントは、あれをオレがどうしたか…聞きたくて仕方なかったんだろ?」

仕方ないってコトはないよ?そりゃ気にはなるけど…。

軽く…頷いてみる。






そしたら当麻くんは、ぼそりと呟いた。

「…ごめんな」

「…え?」

「あれは…やっぱり捨てられない」



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