君を僕の好きにさせて貰います(短編)
「ひゃあっ」
その言葉を合図に苺は雪崩れ込むように私の胸元に顔を埋めた。
首筋に伝わった熱も頬に伝わった熱も同じで違う。
苺は私の服を捲し上げると腹部にキスを落とした。
「ふあ」
気が遠退くようなそんな気がして苺の髪を掴んだ。
「邪魔だよこの手。押さえ付けられたいの?」
へ?
苺の鉄仮面の下って……サディスト────!!??
まさかの展開についていけず、されるがままだった私は体を捩って逃れようとした。
「苺っ何するの!?」
「何って君が望むこと。それ以外は絶対にしない」
苺は私の両手をベッドに押さえ付けてニタリと笑った。
「あのね、せめてキスだけがいいなー、なんて」
苦々しい笑い。本当に今更って笑ってくれたらどれだけいいか。