TeFU TeFU ~蝶の媚薬~
第二夜 自分の名前
これから私はどうなっちまうのだろう…
トボトボと前を歩く男について行く。
今引き返せば、お家に帰れる…でも母ちゃん達は私が邪魔なんだ……イラナイ子どもなんだ……
だから…
一定の距離をあけて歩いているが、大人の男の歩幅にはかなわない。置いて行かれないようにするには、注意が必要だった。
「お前、名前は?」
(教えるもんか)
「喋れねえわけねぇんだろ?名前は?」
『…』
「紫苑!」
*