TeFU TeFU ~蝶の媚薬~

ゴソゴソと彼女は懐から半紙にくるまれた物をだした。


「昨日貰ったから、え津と食べようと思って..」


中には大きさの異なるお菓子だった。


客はたまに禿にお菓子をやる。自分の贔屓している女郎の禿に。中でもひときわ目立つ利つは、よくその対象になっていた。

そしていつも私にと、残しておいてくれるのだ。


「はい」


小さい方を口に入れ、大きい方を私に差し出した。




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