TeFU TeFU ~蝶の媚薬~

「嫌だ!私は…私は……」


そう言って、取り押さえられていた腕を抜け、利つはどこかへ走って行ってしまった。


「利つ!利つ!
お待ち!利つ!」


女将さん達は利つを追いかけるようにして、足早に去っていった……



「えらい騒がしいなぁ…
ウチは寝とったのに…

お前達のせいで起きてしまったやないの…」


そう話したのは、この街に来て初めて出会った花魁であり、私の姐さんである朝日(アサヒ)だった。




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