TeFU TeFU ~蝶の媚薬~
第五夜 シアワセ

「花魁…。」


襖の外からの声に、私は我に返った。


私達の仕事は私達を買った客(オトコ)を癒や事。


なのに……。


『幾松さ…』
「行ってきなさい。」


下から覗きこむようにして上目で話せば、しおらしいが演出でき、途中退座も客は立腹しない。
逆に、【もっと】と求めるのだ。




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