TeFU TeFU ~蝶の媚薬~

それからというもの。男はせめてもの償いとして、あや野姐さんのところでなく、朝日姐さんのところに通い始めた。


朝日姐さんも男の前では花魁の仮面が外れ、一人の女性になれた。


「肌を合わしたのは、あれが初めて。あの人に抱かれながら、その奥にいる愛した人を思ってた。」


『あや野姐さんはそのこと…』


「知らないだろう。話す前に逝っちまったんだから。」




女の嫉妬の怖さ。

男の覚悟。

そして、花魁という華やかであり孤独であることを、私は知った。




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