TeFU TeFU ~蝶の媚薬~
「え津ちゃん、久しぶりだね。すっかり綺麗になって。」
『吉野様もお久しぶりです。』
「そうだね。そうだ、え津ちゃん。ここにきて何年だい?」
『確か10年かと…』
「何の話しを?あら、吉野様。今日はお連れをつれてくると仰っていたのにお一人ですか?」
朝日姐さんが部屋に私と吉野様の2人だけしか居なかったので、疑問に思ったようだ。
「そうなんだよ。私の従兄の息子で薬屋を目指している子がいてね。今、家で預かっているんだ。息抜きに連れて行こうとしたんだが……仕事が終わらなくてね…」
吉野様は罰が悪そうな顔をした。
*