TeFU TeFU ~蝶の媚薬~



『え?!朝日姐さん、それは本当?』


あの猿と呼ばれていた男(青柳屋内で。もちろん本人は知らない)がお役人に連れて行かれたとか、どうとか。


成り上がり者だったようで、ある功績を認められ、大金と身分を獲得した猿は、自分の器を図り違いしたらしい。
昔、手が届かなかった遊廓に通うようになった。


どうせ買うなら花魁を。


…見事に猿は花魁を、朝日花魁に心を奪われたようだ。


身体を繋げても、心までは繋がらなかったのに。





*

< 96 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop