神への挑戦

ミツハルにも、詳しい事は解らないが、タケシがLAN闘祭の原因を知っているのであれば、そう考えるのが妥当である。

タケシの父親は、どんな目的があって、タケシに真実を話したかは解らない。だが結果的に、タケシの中でケジメなのかは解らないが、ジャッジタウンを離れる決意をさせた。

ミツハルの中での推理では、こんな展開で、タケシがこのような行動を取ったと考えていた。

「…納得は出来ないが、今の状況じゃ、そう考えるのが妥当か。それにしても、タケシの奴…一体何を探っているんだ？俺らと同じく、ミストの情報を集めているのか？」

「どうだろうね。もしかしたら、タケシの父親に関係している可能性もあるかも…責任感の強いタケシだから、一人で父親の仕事を妨害しようとしているとか」

「タケシの父親の仕事と、ミストが関係しているってのか？そんな都合の良い展開ってあるか？確証はないが、ジンが今回の事件に関係していると仮定して、俺達は調査しているのに、タケシもそんな不確かな情報で同じ組織を調べる何て有り得ないだろう…かなり薄い線だぜ？」

ハヤトの言っている事は間違ってはいない。今回、ホワイトやブラッグを調べている理由は、ハヤトの記憶を頼りに、ジンが未出生児だという事実を元に、ジンの消息を掴む為の調査に過ぎないのだ。

シン達を調べている理由も、ジン達と同じコートを着ているという単純な理由…確固たる証拠があって調べている訳ではない。

全ては手探りの状況なのだ。

「取りあえず、僕の方でもタケシの行方は調べてみるよ。今までは、ハヤトが自分で調べたいという理由で僕は手出ししてこなかったけど、状況が状況だからね…」

「…頼む。何か解ったら、俺にも教えてくれ」

ハヤトはその言葉を最後に、電話を切った。ミツハルは、開いていた携帯を閉じると、少しため息を吐き、再度パソコンに向きあう。

「やれやれ…いつかは、過労で倒れるかもな」

ミツハルは、軽く笑みを浮かべながら、パソコンに向かい合うと、調べ物をはじめた。