神への挑戦
だが…。

「俺の考えでは、ジャッジタウンは限りなく黒に近い、真っ白だよ」

ジャックの考えとは裏腹に、エースの意見は変な言い回しをしてはいるが、ハッキリと白だと言っていた。

二人の乗った車は、ジャッジタウンの門を抜け、中に入って行く。中に入ると、関所の様な場所があり、エースの運転する車でその関所を抜けるのかと思われたのだが…。

エースの運転する車は、近くの駐車場に止まった。

「車で行かないのか？」

「ここから先は、一般車立ち入り禁止なんだ」

エースはそう言うと、警備をしている人間に話しかけに行く。

「世界で一番頭が切れる男の、エースだ。…連絡は行っていると思うんだが」

エースの言葉を聞いた警備員は、何やら不思議そうな顔をし、携帯している電子手帳の様なものでエースの顔を確認する。

「話は伺っています。お待ちしておりました…この中でお待ちください。連絡しておくので、すぐに迎えが来ると思います」

警備員が案内したのは、警備をしている人間の休憩所の様な所だ。簡易イスや横長のテーブルや自販機が置いてある場所だ。

「あの警備員、俺の顔を確認して中に案内していたな。あの野郎…ハメやがったな」

エースは、イスに座ると独り言のようにそう声をもらした。ジャックは、エースと一つ席を放し、イスに座ると苦笑いをしながら、エースに話しかける。

「世界一頭が切れる男ねぇ…随分と自信過剰のお方だったんだな。知らなかったよ」

「…言ってなかったが俺は、自信過剰でナルシストなんだ。」

ジャックの皮肉にも、いつもの余裕を残し、いつもと変わらない様に見えるエース。だが、先ほどの独り言を考えると、誰かの策略にはまり、多少の苛立ちを感じているのは間違いないだろう。
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