神への挑戦
エースとジャックは、待合室で10分ほど待つと、先ほどの警備員が待合室に顔を出した。警備員の話だと、迎えに来る予定だった人物が、今は仕事が立て込んでて、顔を出せない状況なのだという。

そこで、警備員の人が代理の人を用意し、その人の運転で、目的地まで案内する様な事を説明された。

エースもジャックもその事に異論はなく、警備員の人が用意した車に乗り込み、目的地に向かう事にした。エース達が乗り込んだ車は、二つあつ関所のうちの一つである、右側の関所を抜け、町の中に入って行った。

町の中は、良い意味で言えば今時の若者が町のいたる所で遊んでいた。悪い意味で言えば、近所迷惑極まりない、暴走行為なども見受けられ、かなり治安が良くない印象を受ける。

ジャックはその光景を見て、軽く言葉を失っている。

「噂では聞いていたけど、まじかで見ると凄いな…ゲームや映画の世界みてぇだ」

そんなジャックに、エースは補足を加える形で説明を始めた。

「この場所は、ジャッジタウンの高校生地区と言われている場所なんだ。そこら辺に居る若者は全て高校生の年代の子供達で、大人が居ない分、バイクや喫煙で注意される事はない…でも法律はちゃんと存在するんだ」

エースがそう言いい、先ほどの光景の方に視線を送った。そしてジャックは、目の前の光景に変化が起きている事に気づいた。

先ほど、バイクで暴走行為していた数名が、バイクから引きづり下され、ケンカが始まっていたのだ。こんな昼間から、町のど真ん中でケンカが勃発する…かなり有り得ない光景である。

「この町には、警察も居なければ、注意する大人もいない。でも、町の治安を彼等なりのルールで守る人間は居るのさ。それが、『マスター』と呼ばれる人間たちだ…」

「マスター?…警察官みたいなものか?」
< 16 / 335 >

この作品をシェア

pagetop