神への挑戦
その男達は、デスのメンバーであったり、レガシーのメンバーだったりとハヤトが中学生地区に居た時に会った事があるメンバーばかりであった。ある者はナイフを持ち、ある者はバットを持って、入口前に居る男達に殴りかかって行く。

「俺達も行くよハヤト。遅れるなよっ」

ジンはこのタイミングを待っていたようで、人の波に入って行く様に空間に躍り出た。ハヤトはジンの後を追うように追いかけていく。

「リュウっ!作戦通りこの場所の指揮は任せたよ!」

ジンは後ろから着いてくるリュウに声をかけた。

「あぁ!ジンっ…決着をつけてこい!」

「任せろ!い……で……が……」

ジンが最後に言った言葉は小さすぎてリュウの元まで届かなかった。

突然の奇襲は功をそうし、入口の警護をしていた奴等は、ジン達の猛襲に全く歯が立たない状態だった。

警棒の様な武器しか持っていないのも原因の一つだと思うが、やはりこちらの人数が多いのが一番の利点であった。突然の奇襲で浮足立っている所に集団戦法の特攻は、精神的にも効果的である。

入口前を制圧したジンの仲間達は、閉まっていた入口を開放した。ジンは未だに交戦している仲間を見向きもせずに、入口の中に入って行く。ハヤトはそんなジンの後ろから走って着いて行く。

拳銃を片手に走るジンは、ハヤトの思っていたスピードよりも早く、着いて行くのが精一杯な早さだ。そんなジンの後ろから着いて行くハヤトは、入口を抜けると応援に来た男達4人と出くわした。

その男達は武器などを持っていなく、ハヤト達を視界に捉えると、急いで懐に手を突っ込んで居た。その様子を見たジンは、走るスピードを早め、低空飛行するかの様なジャンプをすると、後ろ回し蹴りで一番前に居た男の鳩尾に蹴りを入れた。

呻く男をしり目にジンは、右足の膝裏を男の首に回し、左足の膝裏で男の肩を固定すると、問答無用でその首を押さえている右足で首を捻った。

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