神への挑戦
これは本当に実際に起きている事件なのか？

ヒサジはそんな事を考えていた。とてもじゃないが、信じられる事件では無い…。

治安どうこうじゃなく、普通に考えておかしい。ジャッジタウンの中ですら起きた事がない種類の事件が経済の中心である都心で起きるなど…。

「この事件にハヤトが関わっていない事を祈るだけだな…」

野次馬に混ざったところで、ハヤトが見つかるとも考えずらい。ヒサジはそう考え、サヨ達を待たせている場所に戻ろうとすると、急に後ろから声をかけられた。

「なぁにやってんだヒサジ。偶然にもほどがあるだろ…」

町中で急に声をかけられたヒサジは、聞き覚えのある様な声に、何気なく振り返る。すると、一度見たら忘れる事など出来ない強面の男が目の前に居た。

「もしかしてドラゴンかっ！？何でこんな所に居るんだ？」

「それはこっちのセリフだ。何でお前が東京に居る？」

二人ともに驚いた表情で、質問を投げかけていた。

「俺は今日、ボクシングの試合があって、東京に来てたんだよ。ドラゴンは？」

「俺は仕事のついでに銀次さんに所用を頼まれてな。てか今日、ボクシングの試合だったのか？もちろん勝ったんだろ？」

ドラゴンは久しぶりのヒサジとの再会に、嬉しそうな表情をした。ヒサジも同じ様で、ドラゴンの質問に、微笑みながらグーサインで応える…。

「お前がシャバの男に負ける訳ないわな。『鬼』を退治出来るのは桃って相場は決まってるからよ」

「それハヤトも同じ様な事言ってたな。そう言えば、ハヤトがどこに居るか知らないか？今ハヤトの行方を捜してるんだよな…携帯も繋がらないし、行方不明なんだよ」

ヒサジは、話の流れでドラゴンにハヤトの行方を聞いてみた。するとドラゴンは、非常にあっさりと、とてつもなく不注意に、ハヤトの行方を話してしまう。
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