神への挑戦
「何かを得ようとしたら、何かを差し出さないといけない。それが世の理…人間は目の前の清潔や健康を取る代わりに、未来の子孫を犠牲にしているのさ。それが今の段階で如実に結果として出てきている」

「結果として?」

「あぁ…それじゃ一つ仮説を話そうかな。そうだな…猿って知ってる?」

「…バカにしているのか?」

話しの節々で小馬鹿にする様な発言をするジン。そして丁寧にその言葉に反応を示すハヤト…。

何も言わずに事の成り行きを眺めるリュウ。綺麗にボケとツッコミと観客が分かれた形になっていた。

「冗談冗談。猿ってのは非常に人間に近い生き物だ。遺伝子レベルでのちょっとした違いしかないぐらいにね。今から話す事は、それを利用した実験での話だ…」

人間には色々居る。

考古学者居たり、宇宙を研究したりと、自分の知りたい分野の事を徹底的に調べている人々がたくさん居る。

そんな中に一人の研究員が居た。

その研究員は、日々の生活での習慣を研究している人で、未来の人間は今とどう変化するのかを調べている人だった。

そしてその研究員がその事を調べる上で、人間の代用として利用したのが…。

猿だった。

実験をする上で、猿は都合の良い動物だったからだ。

猿は人間と違って大人になる成長速度が違う。人間は20年で大人になるとしたら、猿は一年で大人になるからだ。

つまりは、一年で子供を作れる身体になるのだ。

それを利用した実験がこれだ。
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