神への挑戦
全ての準備が済んだのか、エースはそう話すと事務所を後にしようとする。

「話しはまだ済んでないぞエース。そんなもん持ち出してどうするつもりだ?相手はあの睡蓮会だ…俺達の作戦は大失敗に終わったんだ。これ以上アイツ等に関わったら、今度は皆殺しにされるのがオチだぞ?」

「まだ終わっていないさ……何故ならまだ俺が生きているからな。少なくとも俺が生きている間は終わらせない。それが俺のケジメだ…許す訳にはいかない」

「…それは皆を危険に合せてまでする事か?」

ジャックは諦めない。ここで引いてしまえば、エースは行くとこまで行ってしまうから…。

「そうはならない。抑止力が働いているからな…」

「抑止力?」

「あぁ…ジンの抑止力だ。もしかしたら、この展開もジンの作戦のうちかもしれない…そうだとしたら、大したガキだ。悪魔じみているぐらいな」

「でもジンは確か…」

「あぁ…アイツは死んだよ。俺がこの目で確認した」

「…エース。お前はアソコで何を見たんだ?何が起こっていたんだ?」

「詳しくは解らない…俺が知っているのはジンが死んだ事。それと…」






「タケシって奴が、ハヤトを撃った…それだけさ」

エースが見た光景は…。

その二つだった。

そしてエースは静かに進みだす。最悪の結末を少しでも変えるために…。

ジャックの止めるのを、押しのけて前に進みだした。
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