神への挑戦
ここまでの話を聞いていたジャックは、最初にエースが決めた行動の真の理由が見えた気がしていた。

おそらくエースは、今回の事件が未成年の事件だと聞き、最初にジャッジタウンの内状を考えたのだろう。そしてそれが、この事件と直結はしていなくても、何かしらの関わりがあると読んだのだ…。

(限りなく黒に近い、真っ白…)

確かに、エースの言う通り、ジャッジタウンは限りなく黒に近い真っ白の様な位置にある。

間接的に何かしらの関わりはあるかもしれないが、直接的には何も関係ない、被害者にも似た境遇だ。それを考えてエースは、この銀次という男に話を持ちかけたのだろう…。

一緒に事件を解決しようとな。

エースの先見の明は、確かに的を得ていたのだとジャックはこの時思っていた。

「何はともあれ、俺とジャックはこの事件の解決に全力を注ぐつもりでいる。その過程で、ジャッジタウンの存続問題も解決出来るのなら、俺としても協力したい。利害関係は一致していると俺は思うけど…君はどうだいハヤト?俺に協力してくれるかい?」

エースはなぜか、ハヤトを名指しで聞いていた。その発言には何かしらの意図を感じさせる様な聞き方で。

ハヤトは、そんなエースを不審に思いながらも、首を縦に振る。信用出来るかどうかは解らないにしても、エースという男は、あの銀次が認めている男だ。

多少なりとも興味があるのかもしれない。

「そうかい。なら、今日からハヤトは俺達と行動を共にしてもらいたいんだが…別に良いよね銀次?」

「構わない。好きにしてくれ…」

銀次は、ハヤトの言い分も聞かずに、許可を出していた。そんな銀二に非難の声を上げる人間が二人…。

「勝手に決めるな…」

「…俺の仕事はどうするんだ?」

当事者のハヤトと、エースの相棒である、ジャックだった。
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