神への挑戦
世の中には不良という存在が居るらしい。

不良って言えば、ケンカにタバコに…あとは女か?

良くは知らないけど、強い奴が正義的な奴等なのは知っていた。

馬鹿で単純で無知。それでいてプライドが高い。

…なんて単純な事ではないだろうね。

不良は人種なんだろう。進化論の過程で生まれた不良という名の人種。

拒絶と受諾の狭間で新しい個が存在したんだ…。

でも見た目に違いがないから、人種として認められない。

人は外見で判断する生き物だから。

そこに生きる不良と言う個に、見た目的特徴がないから、区別はされない。

だから他を拒絶するんだろうね。世間からも拒絶され、自分たちも拒絶するのさ。

そんな彼らを受諾してくれるのは…やっぱり不良しかいない。

お互いに同じ傷を持った同士でしか傷を癒せない。

だからつるむ。そして自分たちの世界を作りたがる…。

不良の聖地ジャッジタウンか…興味深い場所だな。

肉体的ではなく、意志として個を持つ存在。

不良…。

はたして俺は、不良に受け付けられるのかな。

人を動かす術を学びに行きます。

俺はおじさんにそう話しをした。

おじさんは何も言わない。

ただ…その変わりにおじさんは。

俺に力を教えてくれた。

暴力の持つ必然性と絶対性。

それに力の意味を…。
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