神への挑戦
それとあとは…。

やっぱりゲンの存在は俺を語る上では外せないな。

ゲンは俺の双子の弟。

だと思う…。

なにせ証明できるものが何もないから。

はっきり双子だと言えないんだよな。

正直な話、俺が兄なのかもわからない状態だから。

でも多分俺が兄だ…。

じゃないと色々と都合が悪くなったりするから。

ゲンはあれなんだよ…簡単に言えば、俺みたいな奇跡が起きなかった弟なんだ。

つまりは、致命的欠陥があったってこと。

反動に耐えきれなかった感じかな。

ゲンには個性というものが何もなかったんだ。

好奇心の欠如と言うか、廃人と言うか…。

特定の言葉が当てはまらなけど、確かにゲンには個性と呼べるものが何もなかった。

少し性質が悪いのが、個性が欠如している事が原因で、その個性を持とうという意欲がないことが一番の原因なんだと思う。

でもまぁ…ゲンも特別な存在なのは俺から見ても明らかだけどね。

個性がないから、何者にも変化する事が出来るのさ。

そこに個はないけど、虚像の産物を描くことは出来るってわけさ。

言うなれば頭脳が発達した赤ちゃんって所かな。

極端な話、ゲンが外見すらも変える事が出来るのであれば、女の子になることも可能な訳だよ。

そこにはゲンとしての個がない訳だから、恥じらいも存在しないのさ。
< 291 / 335 >

この作品をシェア

pagetop