神への挑戦
ゲンは俺以上に特殊な人間と言えるだろう。

実際、俺自身もゲンの心の中を理解出来る日は一生こないであろうし。

ここに俺の軌跡を語った訳だけど…。

これからの俺の生きる道筋は、過酷な道になるだろうな。

でも多分…俺は行くところまで行くだろう。

そして後悔もしない。

人は過去を悔む事で、新しい時代を生きる術を学ぶわけだけど、俺は。

人ではないから…。

神でもないし。

言うなれば堕天使って所だろうな。

人の為に生きないし、神の為にも生きない。

俺は…何の為にも生きない。

それが俺。

ジンなんだ。



俺はジャッジタウンで組織を作った。

目的は単純。

人はどんな人間に魅力を感じるのかを調べるため。

それと俺には人が必要だった。

言うなれば、この世で一番使いやすい道具を集めることだと言えよう…。

それを言葉で表すなら、金と人間だ。俺の願いを叶えるためには、それが必要不可欠だった。

その為に不良が何たるかを調べることにした。

郷に入れば郷に従え。このジャッジタウンという不可思議な郷では、暴力が全てだった。

だから最初にジャッジタウンに来た俺は、とにかくケンカを毎日の様に行うことにした。

実は俺は、ケンカは得意な方ではなかった。でも俺やゲンには特殊な能力が備わっている。

一つは技術的な能力。それなりにジャッジタウンに来る前に、場数は踏んできたので、大抵の相手には負ける事はない自信はあった。
< 292 / 335 >

この作品をシェア

pagetop