神への挑戦
だがそれだけでは少し足りない…。

絶対的な恐怖というものが少しな。

だから俺はゲンを利用した。アイツには絶対的なの象徴になってもらいたかった。

余裕なぞ皆無。力こそ全て。

それを体現する様な力の象徴もこのジャッジタウンという場所では不可欠だと思ったんだ。

だからゲンにそれを演じてもらった。

お前は恐怖の象徴になれ。お前は破壊の限りを尽すシヴァ神になれと…。

ゲン…お前は破壊神だ。



そして俺達は、このジャッジタウン中学生地区の中で確固たる地位を得た。

仲間も集まり、それなりに使える人間も集まった。

でも世の中には面白い奴がたくさん居る。

俺やゲンがイレギュラーなのと同じく、他にもイレギュラーは沢山存在していたんだ。

その中で一番異質な空気を放っていたのはヒサジだった。

ゲンにも似た空気を放つ強者。一人を好み、誰ともつるむ事のない一匹狼。

近寄る事を許さない業火。不用意に近づけば、地獄の炎にその身を焼かせ、地獄に突き落とすかの様なその強さに俺は、興味を持った。

何時からかその強さから鬼神という名前を付けられたヒサジだが、それが虚言でない事は、ケンカの実力を見ればすぐに解る。

俺はゲンにヒサジには近づくなと指令をだした。

多分…あの男に現段階ではケンカで勝つのは無理だと思った。何となくだが分かる。

そんなヒサジを俺は遠巻きに観察しながら、情報を集めた。
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