神への挑戦
完全に腐ってやがる。外道とかそういう言葉では言い表せないぐらいに。

「まぁこんな議論していても仕方ない。それにこれではっきりしたしね…君たちも俺らと同罪だって事にさ。目的の為には手段を選ばないってところは俺らと同じ。PMレインを使い、無関係な人間を巻き込んでここまで来たんだろ?若いのに立派なもんだよ」

「お褒めにあずかり光栄だ。ところでどうするんだ?俺らに協力してくれるのか?」

リュウはどうにも内藤の言葉には何も感じないようだ。というよりも全てを知っているのだろう。

なぜならジンが居るからだ。すべて聞いた上でこの場所に来たのだろう。

「そうだな……いいよ。何か君たちに興味が出てきたし。睡蓮会を潰せそうとか、もうどうでも良くなってきた。君たちがどこまで出来るかを見てみたくなったよ」

なぜリュウはなんにも感じないんだ。おかしいだろ。

子供たちを助けたとか言っといて、なぜ子供たちを苦しめている薬を使っている。

ジンは本当は何をしたいと思っているんだ?長い時間をかけて計画を練って、ここまで来て、目的は睡蓮会をつぶすこと?

睡蓮会とさほど変わらない様な事をして、何を言っているんだ?

俺は何を信用すればいい…。

「一つ聞きたい…」

「なんなりとどうぞ」

勝手に話が進んでいるようだが、俺は納得がいっていない。でも俺一人でどうにか出来る話ではない。

なら今のうちに聞きたい事がある。

「お前はなぜ睡蓮会を潰したいと思ってるんだ?自分の好きなことが出来ているこの組織をどうして潰す必要がある」

この際俺は、傍観者に徹しようと思う。じゃないと俺は俺じゃなくなってしまうから。
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