神への挑戦
エースは、予め作戦を決めていたと最初に言っていた。それは、ジャッジタウンに行く前に、決めていた作戦でもあり、エースが銀二にハヤトを借りたいと言った理由にもあてはまる作戦であった。

「簡単に言えば、潜入捜査をしようと思うんだ。未成年の麻薬密売のね…捜査というよりかは、完全に組織の一員となって、どんな流れで金が動いているかを探したいと思っている」

エースの作戦。それは、潜入捜査をしようというものであった。だが、この発言に異議を唱えたのは、ジャックであった。

「ちょっと待てよエース。潜入捜査って言ったって、どこに組織があるのかも解らないのに、どうやって潜入するって言うんだよ。それに、未成年が潜入しないといけないから、行くとしたら、ハヤトになるだろ?それは、いくらなんでも危険すぎる!まだまだ、未来がある、ハヤトにそんな事させるのは、俺は納得ができない…」

ジャックにとって、ハヤトは苦手な人種だ。だが、だからと言って、危険な目に合わせて良いかと言えばそれは違う。

正義感は人より強い、ジャックだからこそ、年下には危険な目に会わせたくないという優しさであった。

だが、エースはそんなジャックの危惧を読んでいたのか、笑顔を見せる。

「大丈夫だよジャック。もし、警察に捕まる様な事になっても、必ずハヤトは俺の手で助け出すから。ハヤトの履歴に傷をつける様な展開には絶対にしない…俺が全力でサポートするからね」

「でもよ……勝算はあるのか?」

「今のところ、80%かな。でも、限りなく100%に近い数値には持って行ける。まぁ、それもこれもハヤトの返事しだいだけどね」

エースは仕事に関しては嘘を言わない。それは、ジャックが身にしみて分かっている事。

そんな、自信満々なエースに、ジャックはしぶしぶであるが了承した。
< 35 / 335 >

この作品をシェア

pagetop