神への挑戦
マリコの服装は、町に居る女の子と比べて、割と露出が少ない服装をしていた。それは、マリコ自身が非凡なスタイルをしている事から、変な目で見られたくないという理由からきている…。

「別にそんなんじゃないから。ただ、あんな格好して、町歩くの恥ずかしくねぇのかと思ってよ…そんな堅い考えを持っている訳ではないが、あれはちょっとな」

一時の欲を求める為に、夜の町を歩き、男女がお互いに求愛行動をしている…。ハヤトの所見はこんなところだった。

実に、動物的考え…。学校に通う事や、同年代の友達と遊ぶなど、大体の子供が経験している事を、経験していない人ハヤトは、人とは少し違う考え方を持っているのかもしれない。

「そう…良かった。私は、あんな服装持ってないから、好きって言われたら、どうしようかと思って。とても恥ずかしくて、着れないからね…」

「あんな格好しなくて良いから。変な男ばっかり寄ってくるぞ…押しに弱いんだからよ」

ハヤトは、過去の出来事を思い出していたのか、怪訝な表情をしていた。そんなハヤトに、マリコは少し気まずそうな表情をする…。

「うっ…でも、あの時は仕方なかったんだもん」

「それは、仕方ないで話が済めばの話だろ。もしあの時、俺が来なかったら、何が起きていたか分からなかっただろ…まぁ、近くに居てやれない俺にも責任はあるけどな」

あの時とは、マリコが中学生の時に、不良のケンカに巻き込まれ、地元の不良に拉致られそうになった時の話だ。その時は、たまたまその状況を察知したハヤトが、現場に駆けつけ、助け出し事無きを得たのだ…。

そして、その時から、ハヤトはマリコに変な騒動に巻き込まれる様な事はするなと言われていた。

「ハヤトは悪くないわよ。あの時は、私の考えが甘かっただけだし。でも、そばに居ないのは、少し寂しい…かも」
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