神への挑戦
そして、それがもし本当だとしたら、考えられる理由は一つ。それは、ジャッジタウンを出て行った人間の犯行…。

ハヤトの知る限り、それ以外の理由が見当たらないのだ。

「待てよ……俺は、何かを忘れている様な気がする」

「っ?…何が?」

いきなりのハヤトの独り言に、訳が分からないといった表情のマリコ。だが、ハヤトはそんなマリコにはお構いなしに、思案にふける…。

ハヤトの頭の中に出た疑問…。

それは、ジャッジタウンを出た人間と言うキーワードに連想される出来事。

『俺達は、とある目的があって、この町に来た…』

『まだ、その時じゃない…まだ数年先の話しさ』

『俺達の目的は達した…もうこの町に居る必要はないのさ』

なぜか、ハヤトの頭の中に出てきた人間は、あの激動の中学生地区に居た時の思い出だった。

まさに鬼の様に、ケンカが強かった鬼神ヒサジ…。

新しく来た人間にもある意味優しかった、タケシ…。

そして、あの双子…。

『ねぇハヤト……未出生児って知ってるかい?』

「…未出生児」

「………??」

マリコは、自分の世界にタイムスリップしているハヤトを、少し心配げに見ていた。
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