神への挑戦
「ごめんごめんっ。…知ってるよ。簡単に言えば、出生届が出されていない子供を指す言葉かな。勝手に妊娠して、勝手に出産する…その結果、親が然るべき場所に子供の、届出を出されないと、国はその子供の存在を確認する事が出来ない。その結果、出来るのが『未出生児』なのさ」

エースは、ハヤトが何故この言葉を知っているのか、疑問に思いながらも、ハヤトに説明した。エースはこの言葉を知っている…。それは、若かりし頃の苦い思い出にも関係していたからだ。

ハヤトはその言葉を聞くと、何やら考えだした。そして、またハヤトがエースに話しかける…。

「…何か関係あるか分からないけど、エースに話しておきたい情報があるんだ。今から3年前、俺がまだジャッジタウンの中学生地区に居た時、かなり頭の切れる双子が居たんだ…」

「頭の切れる双子かぁ…ハヤトと同い年かい?」

エースは、ハヤトの話に真剣に耳を傾けていた。ハヤトがわざわざこうして電話してまで伝えようとしている情報が、この事件に無関係だとも思えなかったからだ。

「その双子の一人が、昔俺に話してくれた事があるんだ。それは、数年後に何かを起こそうとしているって話だったんだが、今回の事件と何かしら関係している様な気がするんだ…」

「それ以外に、その双子について、何か知っている事はあるかい?」

エースの中で、今までの事件の穴を探しながら、ハヤトの話を聞いていた。エースの中では、すでに仕事モードに移行している。

「あぁ…まず、その双子は、ジャッジタウンに居た時、自分のチームを持っていたんだが、そのチームってのが、良く出来た縦社会の組織だったんだ。リーダーの命令に忠実な兵隊ってのが簡単な表現だな…そしてその主要メンバーが、ある時期を境に、ジャッジタウンから姿を消したのさ」

「確かにそれは、不自然だな。何かしらの目的があって、ジャッジタウンを離れたと考える方が妥当だろう…」
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