神への挑戦
かつて、ジンとゲンがジャッジタウンに居た頃、このロングコートを着ていたのは、この二人だけだった。

ある意味、このロングコートは、権力の象徴であり、ジンとゲンが、組織のトップに居た証でもあった。そのロングーコートを着た、若い二人組がこの写真に写っていた。

ここでジャックは、エースの説明に、補足を入れた。

「俺が調べたところによると、このコートは市販で売られている物ではなかった。つまりは、このコートはオーダーメイドで作られている事になる…つまりは、この二人が双子と何かしらの関係があると言う事だ」

「なるほどな。それじゃ、この二人を探すのが、ジン達への一番の近道ってことか…」

「そうなるな…」

ジャックはそう言うと、開いていたパソコンを閉じ、身仕度を始める。

そして、エースが自分のコートを羽織ると、ハヤトに話しかけた。

「まだ、不確定要素が多い情報だ。だが、何もしないよりは、何かしらの行動をした方が良いだろう…これから俺達は、ハヤトの言っていた双子を、ミストの重要人物だと仮定して、行動をする事にする。異論はあるかいハヤト？」

「ないな…エースの指示に従うよ」

ハヤトはそう言うと、気合の入った、表情をしていた。それは、何かを払拭しようとしている様な、気合の乗り方だった。

「じゃあ、行こうか…場所は、俺の事務所がある、日本の経済の中心。東京だ…」











「経過はどうだいリュウ…準備は順調かい？」

「問題ないな…あと数日もあれば、準備は整う。販売ルートも確保したし、後は、コイツを量産するだけだ」

ここは、外は明るいのに、一部の場所以外、光が入る事のない、不思議な作りをしている薄暗いがかなり広い倉庫。

その倉庫の、奥の開けたスペースには、乱雑にソファーや、テーブルなどが配置されており、そこには、二人の若い人間が、話しをしていた。

「そうか…やっと、準備が整いそうか。長かったな…無限の様な歳月だったよ」

男は、自分の長い髪をかき上げ、倉庫の天井に視線を向けながら、感慨深くそう答えた。
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