神への挑戦

建物には、『Lucky Star』と書かれた電飾が飾られており、入口には貸店舗と書かれた張り紙が張ってあった。

だが、この日がまだ高い状態なのに、この建物の中からは、笑い声や楽器の音などが、外まで漏れており、このライブハウスの中に、誰かしら人が居るのは明らかだった。

ハヤトは、その音で、ライブハウスの中に居る人数を予測した。

５人…６人ぐらいか。

正確な人数を把握するのは無理だが、そんな大人数ではない事が解ったハヤトは、中に居る人間に臆する事なく、鉄製のドアを開け、中に入って行った。

ライブハウスの内部は、入ってすぐに、地下に降りる階段があり、その階段を降りると、料金カウンターがあり、その奥にまたドアがある。

そのドアを開けた先には、ハヤトの予想より少し多い、８人の人間が居た。

カウンターの席で、タバコと酒を楽しんでいる男や、ステージ上で、金の勘定をしている男。はたまた、座席のない観客スペースにテーブルを置き、そこで麻雀を楽しんでいる男達…。

そこに居た男達は、思い思いに楽しんでいる様だった。

そして、この空間にハヤトが入ってきたことにより、男達は殺気だった眼で、ハヤトに話しかけた。

「誰だお前は。うちのチームの人間じゃないよな…何しにきた？」

金を勘定していた男は、ハヤトに視線を向け、そう聞いてきた。

眉毛を完全に剃り上げ、髪の毛は金髪。無造作にワックスで髪の毛を後ろに流している、人相の厳つい男。その男の座り込んでいるステージの横には、白いロングコートが置かれている。

人相も服装も間違いなく、写真に写っていた、二人組の一人だった。

ハヤトはそれを確認した後、その男の方に近づき、言葉をかけた。

「噂を聞いてここに来た。……俺をお前らの仲間に入れてくれないか？」