神への挑戦

ハヤトの予想外の発言に、周りの男達が怪訝な表情をした。

すると、ハヤトに話しかけた男とは違う男が、ハヤトに近づきながら、話しかけた。

「何だてめぇは…何の噂だか知らねぇが、怪我しないうちに、さっさとお家に帰りな。じゃねぇと、コイツがお前の腹部に突き刺さる事になるぜ？」

男が持っていたのは、刃渡り１５㎝はありそうな、サバイバルナイフだった。

その様子を見たハヤトは、軽く含み笑いをした後、目の前の男に言った。

「お前は、このナイフを俺に着きつけているという行為がどんな行為か解っているのか？」

ハヤトは、何も臆することなく目の前の男の眼を見つめる。その眼には、気負いや強気などはなく、ただ冷たい瞳だった。

「ほぉ…解りきった事を聞くんだな。殺すって意味だよ…」

目の前の男は、ハヤトとは違い、眼が血走らせていた。どうやら、かなり興奮しているようだ。

「なら、お前も死ぬ覚悟が出来てるんだな？」

ハヤトはそう言うと、ナイフを持っている男に左腕の手の甲を向け、腕を直角に構える、いつもと違う構えをとった。その様子を見た、目の前の男も、本格的にナイフをハヤトに向け、臨戦態勢になった。

だがその時だ…。

「辞めとけ…お前の勝てる相手じゃなさそうだ」

リーダーなのだろう、ステージに居た、男がケンカの仲裁に入った。

「ちょっと待ってくれよシンさん！俺がコイツに勝てないって、どういう事だよ」

シンと呼ばれた男は、ナイフを持っていた男に近づき、ナイフを下げさせると、理由を話した。