神への挑戦
ジャックは公園を後にし、事務所に向かう。

公園に一人残ったエースは、携帯電話を取り出すと、銀次に連絡をしだした。

「そっちの調子はどうだ銀二…」

エースは、トーンを落とした口調で、銀次に話しかける。

「取りあえずは、親父の許可が出たから、『睡蓮会』を調べる事に決定したよ」

銀次もいつもの声音ではなく、心なしか低いトーンで話す。

「……やっぱり『睡蓮会』は避けて通れない道になりそうか」

「多分な…これも運命ってやつなんじゃねぇか?中途半端で終わるなっていう神様からのよ」

銀次にしては珍しく、浮ついた表現をした。超現実主義の銀次らしからぬ発言だ…。だが、先ほどとは違い、冗談を言っている様な、雰囲気を感じる。

「運命ねぇ…死神からの死の宣告だったりしてな」

エースも、銀次の話に乗り、明るい口調になる。

「それもありえるな。ショウヘイが俺達を呼んでいるってか?」

「そうだね…ショウちゃんが、呑気に生きている俺達を呼んでいるのかもな」

エースはそこまで話すと、表情を切り替えた。顔つきは、先ほどの少し弱きなものでも、冗談な雰囲気でもなく、真剣なものに変える。

「銀次にジャックを貸してあげるよ。ジャックは、情報を見つける能力にたけているから、必ず力になる…」

「それは助かるな。遠慮なく借りるぜ…」

「ジャックは、俺の事務所で待機してもらってるから、好きな時に迎えに行ってよ…取りあえず連絡先は後で、メールで送っとくから」

「了解っ…お前も気をつけろよ。それとエース…ハヤトの事を頼むぞ」

「任しときなよ…ハヤトの事は俺に任せてくれ」

エースはそこまで話すと、銀次との電話を切った。そして、次の行動に移る…。
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